コーヒー店のアールグレイ女史

彼と朝のやり取りを始めて既に2年は経っていた。

ある日私は仕事帰りにスーパーに寄った。
元主婦は一応家事が出来る。料理もそこそこ出来るが、忙しい時は弁当で済ませてしまうことが多い。一人暮らしだとその方が経済的でもある。でもここ数日は忙しくなかったので、自炊をしていた。

今日の夕飯は先日多めに作ったカレーが残っているのでそれを食べる予定。
カレーと共にサラダが食べたくなったので新鮮な食材を買いに来た。レタス、トマト、アボカド・・・ナンが売っていたのでそれも買った。
買い物にくると予定外の物もつい買ってしまう。いつも、まっいいかと思いながら買う。

なんとなく他に買うものはないかしらと思いながらプラプラと店内を歩いていると弁当・惣菜コーナーで見たことのある男の子がいた。

朝のあの子だ! ・・・

声をかけるべきか悩んだ。
彼は白いTシャツに、ジーパンにスニーカー、後ろのポケットがお財布で膨らんでいる。

まだそんなに暖かくないのに軽装・・・
家近くなのかな・・・
夜食べる弁当を選んでいるみたい・・・
一人暮らしなのかな? ・・・
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