コーヒー店のアールグレイ女史

「夕飯? 」

「はい。僕一人暮らしで外で食べると高いから、この時間だとお弁当安くなっているのでほとんど毎日ここで買います。」

「ねェ、カレー好き? 」

「はい?  好きですけど・・・」

「うちに食べにこない? いっぱい作って余っているの。良かったら食べて。」

「えっ、でも・・・」

「知らない人の作ったご飯イャじゃなかったら・・・。私、怪しい者ではないわよ。私は、藤堂 友莉子。弁護士しています。」

「弁護士さん? 」

「そうなのよ。だからモテないのかな・・・一人もんよ。」

「僕は、西島(にしじま) (さとし)です。あの・・・カレーごちそうになっていいですか。お伺いしたいです。」

西島は急に積極的になった。

私はお惣菜コーナーで若い彼の為にコロッケを買い物カゴに入れてレジに向かった。

清算を終え西島がどこにいるのか見渡すと、西島は手持無沙汰という感じでスーパーの入り口で私を待っていた。

「お待たせ。では行きましょう。」

「はい。」


誘っちゃった・・・
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