❤️俺様外科医の溺愛、俺の独占欲に火がついた、お前は俺が守る
そんな矢先、私は夢にうなされた。

私の目の前に工藤さんが女性と歩いていた。

「工藤さん」

私の声掛けに振り向くと、工藤さんが口を開いた。

「もう、お前には飽きたんだ、お前を守るのに命がいくつあっても足りねえ、
外科医の元に帰れ」

工藤さんはそう吐き捨てて背を向けた。

「工藤さん、工藤さん」

私がうなされていると、祐志さんが声をかけてくれた。

「まゆ、どうしたんだ」

私は汗びっしょりかいて、目が覚めた。

私はどうしても工藤さんの気持ちが知りたかった。

私に飽きたなんて嘘ですよね。

守るのに命がいくつあっても足りないなんて嘘ですよね。

祐志さんの元に帰れって嘘ですよね。

私は次の日、祐志さんの言いつけを破って、工藤組へ向かった。

功太さんもその頃は退院して、私が工藤組を訪ねた時、応対してくれた。

「まゆさん、一人で出歩いてはダメじゃないですか」

「功太さん、工藤さんに合わせてください」

「ですから、若頭は行方がわからないんです」

< 94 / 263 >

この作品をシェア

pagetop