お転婆姫は命がけ。兄を訪ねて三千里!
運ばれてくるのも、上品なティーカップではなく、底が広いマグカップだ。
添えられている砂糖びつは、口の細い瓶で、見た目はグラスにストローを刺したようなシルエットで、ほぼ真っ逆様にすると砂糖が出てくる作りなので、床に落ちて転がっても砂糖がこぼれる心配はない。
カルヴァドスはマグカップにミルクティーを入れると、アイリーンを起こした。
「カルヴァドスさん・・・・・・」
「具合は? レディ・・・・・・」
「だいぶ良くなりました」
「ミルクティーを用意されたから、飲むと良い。ミルクはおなかに優しいし、甘い物も体には必要だから」
カルヴァドスに勧められ、アイリーンはカップに手を伸ばした。
「砂糖を入れるよ」
カルヴァドスは断ってから、アイリーンのカップに砂糖を入れた。
「今ので、大体、スプーン二杯くらいだけど、もっと入れる?」
カルヴァドスの問いに、アイリーンは小さな声で「はい」と答えた。
もう一度カルヴァドスが砂糖入れをひっくり返し、シルバーのスプーンでカップをかき混ぜた。
「どうぞ」
「ありがとうございます」
アイリーンはお礼を言ってカップに口を付けた。
ミルクたっぷりのというか、ミルクとお茶の比率にアイリーンは目を瞬いた。
「気に入ると良いんだけど」
控えめに言うカルヴァドスに、アイリーンは無言で頷いて、カップに口を付けた。
「とても美味しいです。初めて飲みました。このミルクティーは、エクソシアのミルクティーですか?」
「いや、そう言うわけではない。ただ、暖かいところや海の上では、ミルクは保存がきかないから、陸を離れてすぐに火を通してしまう。船の上では水も貴重だから、水ではなく、そのままミルクに茶葉を入れてお茶を出す。単なる、生活の知恵だよ」
「カルヴァドスさんは、色々なことに詳しいんですね。とても勉強になります」
アイリーンはカルヴァドスに微笑み返した。
添えられている砂糖びつは、口の細い瓶で、見た目はグラスにストローを刺したようなシルエットで、ほぼ真っ逆様にすると砂糖が出てくる作りなので、床に落ちて転がっても砂糖がこぼれる心配はない。
カルヴァドスはマグカップにミルクティーを入れると、アイリーンを起こした。
「カルヴァドスさん・・・・・・」
「具合は? レディ・・・・・・」
「だいぶ良くなりました」
「ミルクティーを用意されたから、飲むと良い。ミルクはおなかに優しいし、甘い物も体には必要だから」
カルヴァドスに勧められ、アイリーンはカップに手を伸ばした。
「砂糖を入れるよ」
カルヴァドスは断ってから、アイリーンのカップに砂糖を入れた。
「今ので、大体、スプーン二杯くらいだけど、もっと入れる?」
カルヴァドスの問いに、アイリーンは小さな声で「はい」と答えた。
もう一度カルヴァドスが砂糖入れをひっくり返し、シルバーのスプーンでカップをかき混ぜた。
「どうぞ」
「ありがとうございます」
アイリーンはお礼を言ってカップに口を付けた。
ミルクたっぷりのというか、ミルクとお茶の比率にアイリーンは目を瞬いた。
「気に入ると良いんだけど」
控えめに言うカルヴァドスに、アイリーンは無言で頷いて、カップに口を付けた。
「とても美味しいです。初めて飲みました。このミルクティーは、エクソシアのミルクティーですか?」
「いや、そう言うわけではない。ただ、暖かいところや海の上では、ミルクは保存がきかないから、陸を離れてすぐに火を通してしまう。船の上では水も貴重だから、水ではなく、そのままミルクに茶葉を入れてお茶を出す。単なる、生活の知恵だよ」
「カルヴァドスさんは、色々なことに詳しいんですね。とても勉強になります」
アイリーンはカルヴァドスに微笑み返した。