お転婆姫は命がけ。兄を訪ねて三千里!
「あの、船長さん、放して下さい」
アイリーンがもがいていると、逞しい腕が背後からアイリーンを抱きしめ、船長の腕からもぎ取るようにしてアイリーンを引き離した。
「何しやがるんでぃ!」
ドスのきいた声で船長が弾かれたように怒鳴った。
「放してとレディが頼んでいるのに、あんたがその汚い手をはなさないからいけないんだよ。男ってのはレディの前では紳士でないとな」
男の声が言うと、アイリーンの体を抱き締めるようにしていた男の腕が離れ、アイリーンを自由にしてくれた。
「ありがとうございます」
振り向いて頭を下げると、そこには目にも鮮やかなオレンジ色の髪の男が立っていた。
「てめえ、俺様をなめてんのか?」
さっきまでとろんとしていた船長の瞳に殺気が宿った。
「この辺じゃあ見かけねぇ顔だが、どこの船だ?」
「あんたには関係ないだろ。俺は、紳士のかけらも持ち合わせない男が嫌いなだけだ。レディに絡む男なんて、男じゃなくて野獣だと思ってるだけさ」
オレンジ色の髪の男は言うと、蔑むような瞳で船長を見下ろした。
「何だと!」
「レディに無礼を働くなら、俺が相手になるぜ」
男は言うなり、三日月のような刃のナイフを木のテーブルに突き立てた。
「その刀、その肌の色。エクソシアの船だな?」
船長の顔色が少し蒼くなり、喧嘩腰だった態度が少し落ち着いたように見えた。
「ああ、悪いか?」
「パレマキリアなら、殴り倒してやろうと思ったが、エクソシアなら、今回だけは見逃してやる。次はないからな!」
船長は言うと、バーテンダーに木製のジョッキを高く掲げて振ってお代わりを要求した。
「さあ、レディ、こちらへ」
男はアイリーンの手を取ると、アイリーンを酒場から連れ出した。
アイリーンがもがいていると、逞しい腕が背後からアイリーンを抱きしめ、船長の腕からもぎ取るようにしてアイリーンを引き離した。
「何しやがるんでぃ!」
ドスのきいた声で船長が弾かれたように怒鳴った。
「放してとレディが頼んでいるのに、あんたがその汚い手をはなさないからいけないんだよ。男ってのはレディの前では紳士でないとな」
男の声が言うと、アイリーンの体を抱き締めるようにしていた男の腕が離れ、アイリーンを自由にしてくれた。
「ありがとうございます」
振り向いて頭を下げると、そこには目にも鮮やかなオレンジ色の髪の男が立っていた。
「てめえ、俺様をなめてんのか?」
さっきまでとろんとしていた船長の瞳に殺気が宿った。
「この辺じゃあ見かけねぇ顔だが、どこの船だ?」
「あんたには関係ないだろ。俺は、紳士のかけらも持ち合わせない男が嫌いなだけだ。レディに絡む男なんて、男じゃなくて野獣だと思ってるだけさ」
オレンジ色の髪の男は言うと、蔑むような瞳で船長を見下ろした。
「何だと!」
「レディに無礼を働くなら、俺が相手になるぜ」
男は言うなり、三日月のような刃のナイフを木のテーブルに突き立てた。
「その刀、その肌の色。エクソシアの船だな?」
船長の顔色が少し蒼くなり、喧嘩腰だった態度が少し落ち着いたように見えた。
「ああ、悪いか?」
「パレマキリアなら、殴り倒してやろうと思ったが、エクソシアなら、今回だけは見逃してやる。次はないからな!」
船長は言うと、バーテンダーに木製のジョッキを高く掲げて振ってお代わりを要求した。
「さあ、レディ、こちらへ」
男はアイリーンの手を取ると、アイリーンを酒場から連れ出した。