旦那さま、初夜はいつになりますでしょうか?〜溺愛旦那様の艶事情〜
一
――いつ頃からだろう。
就寝準備を整えベッドに入ると、心臓が割れんばかりの鼓動を刻むようになったのは――。
この日も廊下から近づいてくるスリッパの音に反応して、読んでいた洋書からハッと顔をあげた。
――きた。
いつもこの瞬間は、ドキドキする。
新調したばかりのレースのナイトウェアの襟元をきれいに直し。ベッドで投げ出していた素足が少しでも魅力的に見えるよう、短めの裾を整えた。
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