旦那さま、初夜はいつになりますでしょうか?〜溺愛旦那様の艶事情〜
「――でも、甘かったなぁ。結婚してからは気が緩んだのか、ベッドに誘われるたびに天使と悪魔がせめぎ合って、とても同じタイミングでベッドに入れやしなかった。
クラスパーティーだのソフィアとお似合いだの言われた日は……もう理性が崩壊しかけてダメかと思ったな」
困ったように振り返っていく整った横顔をみながら、あの夜のことが蘇ってきてドキリと胸が鳴る。
パジャマ越しに触れた熱い手。欲を滲ませた瞳。
それでも、彼が体をかさねることはしなかったから、ずっと、隼人さんはその気がないのかと……。