旦那さま、初夜はいつになりますでしょうか?〜溺愛旦那様の艶事情〜
「言ってくれれば、良かったのに……」
「言ったら甘えるだろう……俺が。『父さんに言うな』『抱かせてくれ』なんて言うかも?」
「隼人さんは、そんなこと言わないと思います」
彼の秘めていた大きな心に感服して、思わず腕に抱きついて額を押し当てる。
あぁ、好き。この人が好きで好きで、どうしよう。
「みな……――だから」
さらりと揺れる長めの前髪が近づき、艶のある声が耳元でしっとりと囁いた。