旦那さま、初夜はいつになりますでしょうか?〜溺愛旦那様の艶事情〜
出勤して一週間。そこの常連客だった隼人さんにはじめてあった。
『ブレンドひとつお願いします』
そう言ってスーツ姿でカウンターに座った彼は、まだ仕事に慣れずにガチガチに強張った私の顔を見て目をパチクリとした。
『あれ? 君、はじめてみるね。それも日本人……?』って。
これが私たちの出会いだった。
まるで雑誌のワンカットから出てきたような整った容姿に、見るからに質の良いオーダメードのスーツにピカピカの革靴。そして、優しく緊張を解いてくれるような、大人で包容力のある人柄に、私は三言話すうちには恋に落ちていたと思う。