旦那さま、初夜はいつになりますでしょうか?〜溺愛旦那様の艶事情〜

『へぇ、みなちゃんっていうんだ。かわいい名前だね……。俺は、隼人(はやと)。君と同じ日本人』

可愛い……という言葉をなんども頭で噛み締めて悶絶する。自分の名前がとても貴重なものに思えた。

『はやとさん……』
『一応この会社のオーナーでもあるから、何か困ったことがあったら、いつでも相談して』

そう言って短い時間でコーヒーを飲み終えた彼は、帰り際にコッソリ私に名刺を店を出ていった。

オーナー……? 相談……?

同じ頃合いに、スーツ姿の金髪碧眼の秘書らしき女性が隼人さんを迎えに来てちょっぴり胸が痛んだけれども――名刺を見て納得だった。
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