旦那さま、初夜はいつになりますでしょうか?〜溺愛旦那様の艶事情〜
けれどもそれから一年が経過した頃、転機が起きた――
『え……日本にいく……?』
隼人さんと私の関係はこの一年の間で、とてもステップアップして、仲のいい常連さんとアルバイトという関係を築いていた。
夕方十五分ほど隼人さんの休憩時間。ブレンドコーヒーを淹れながら、彼のおしゃべりに付き合う。
学生の私から日々の生活を聞き出し、彼は人懐っこい笑みで「若いなぁ」と笑って。「俺にもそんなときがあったなぁ」という他愛もないおしゃべり。
その時間帯はほとんど人がおらず、彼のくるその週三日は、密かに思いを寄せる彼と過ごせる至福のときだった。