旦那さま、初夜はいつになりますでしょうか?〜溺愛旦那様の艶事情〜
『疲れただろう? 今夜は、こうやって眠ろう』
彼は違っていた。
なにかから耐えるように私を抱きしめて、隼人さんはベッドに横になったんだ。
『え……隼人さん?』
『なにもこの日だけが特別なわけじゃない――。新婚旅行も兼ねているんだ。明日は行きたいところあるんだろう? 今夜はゆっくり休んだほうがいい』
もちろんこの言葉に疑問を持たなかったわけではない。けれども、自らベッドに誘う度胸のない私は、違和感を覚えながらも、気づけば彼の腕の中で眠っていたんだ。
思えばあの初夜が、疑問のはじまりだ。
それから彼はなにかと理由つけて、私のいるベッドに入って来なくなってしまった。