旦那さま、初夜はいつになりますでしょうか?〜溺愛旦那様の艶事情〜
やりとりを終えた隼人さんは「お疲れさまです」といつものように、私たちに甘く微笑んで執務室に向かう。
分刻みのスケジュールを精力的にこなす隼人さんと、そんな隼人さんから絶大な信頼を受けるソフィアさん。
容姿や年齢、そしてパワーバランス。トータル的に見ても、彼女の方が隼人さんの隣が見合っているように見えてしまう。
無意識に痛くなる心。
「――そんな顔しないの」
「……いてっ」
コツン、とメアリーが私のおでこを小突いてたしなめる。
「噂は噂。ほんとに元フィアンセだとしても、ハヤトが今好きなのはミナだけよ。自信持って」
「ありがとう……」