旦那さま、初夜はいつになりますでしょうか?〜溺愛旦那様の艶事情〜
『みなへ、仕事の対応が入りました。よく眠ってるようなので、このまま行きます。ゆっくり寝ててね』
はぁ……。
膝に額を押し当て、大きく息を吐く。
――結局、昨夜も彼は体を重ねることはしなかった。
何度も呼吸を奪うようなキスを落とし、服の上から魔法をかけていくように触れるだけ。
触れられた箇所から、電流が流れるように熱が走りその先を私の口から求める前に、息を荒くした甘美な口づけに塞がれる。
初めての体の疼きに、初めて感じる彼の体の熱さ。
想像はしたけれども、現実はよりドキドキしてして、他のことを考える余裕すらなかったように思う。
けれど、そうした触れあいが続くだけで先に進むことはなく、しだいに意識が遠のいてしまった。