旦那さま、初夜はいつになりますでしょうか?〜溺愛旦那様の艶事情〜
「待ったわよ。優先度を考えてよね。今日はもう来ないんじゃないかってハラハラしたわ」
「はは、来ないわけないよ。部屋と着替えは?」
「準備万端よ」
「じゃ、早くいこうか」
「もう、ほんとに反省してるわけ?」
呼び捨てで、異様に親しげに話すふたり。
会社とはまるっきり違う姿に心臓が嫌な音をたてる。
そして、ふたりは、会話をしながら目の前の建物へと入っていく。
「……ホ、テル」
数ヶ月前にオープンした高級ホテル。
メディアなどでも大々的に取り上げられていて、隼人さんがしげしげと雑誌を見つめていたから覚えている。