旦那さま、初夜はいつになりますでしょうか?〜溺愛旦那様の艶事情〜
周囲からは……チラチラと感じる視線。
いつの間にか、足を止めた数名の通行人や店のお客さんからの注目を浴びていたらしい。
ゔぅ……。感情の矛先となっていた彼女に気遣われてしまうなんて。
ものすごくいたたまれない気持ちになる。
「さいごに――私のことももう明かしたほうが、いいんじゃない?……社長」
「……そうだな」
……え?
疑問に思っているうちに、キーや書類を受け渡しながらそんなやりとりをしたソフィアさんは、再びヒールをカツカツ鳴らし。その場をあとにする。
「またね」と私に向かって魅惑的なウインクをひとつ残して――。
……どういうこと?