旦那さま、初夜はいつになりますでしょうか?〜溺愛旦那様の艶事情〜
だけど彼は静かな眼差しで両親を見つめ、「いいえ」と否定したあと、両手をついて頭を下げた。
ぎょっとする私たち3人。
「お礼を言いたいのは私の方です」
……え?
みんなの意識が彼に集まる。
彼は頭を下げたままゆっくりと口にした。
「――あのとき、みなとのお付き合いを許していただき……本当にありがとうございました。俺のわがままを受け止めてくださったお二人のおかげで、こうして彼女と幸せな結婚生活を送らせてもらっているんです」
「隼人さん……」