旦那さま、初夜はいつになりますでしょうか?〜溺愛旦那様の艶事情〜
ふたりの間にあった私の手に、自らの手を重ねて。
「さっきも言ったが……お礼を言うのは俺の方だよ――。これは俺がつけたかったケジメみたいなものだから。この結婚は俺のわがままだからね」
彼は再びそう真剣に訴えてくる。
彼は両親の前でもそんなことを言っていた。でも、すかさずふるふると首を横に降る私。
「私は、隼人さんのことが好きだから、プロポーズをお受けしました。なので、わがままではありませんよ」
隼人さんは、私を愛おしそうに見つめ、「ありがとう」と一度ぎゅっと肩を抱き寄せたあと、「でもね」自分の心にあった気持ちをひとつひとつ打ち明けてくれた。