旦那さま、初夜はいつになりますでしょうか?〜溺愛旦那様の艶事情〜
「ひとりの経営者として、将来のある学生に手を出すなんて言語道断だろう。人を動かす立場にある俺たちが、可能性を奪うことはしてはいけないと思っている」
私とは視点の違う大人の見解を示していた隼人さんに、あっと目を剥いた。
「まだ将来を見据える、十も違う女の子。好きだからこそ、日々学業とカフェを両立させる君に、安易に声をかけられるものではないと思っていた。大学を出てから正式に結婚を申し込むのが礼儀だと思ったんだが――」
そう言って、私を見つめて一度言い淀んだあと、彼は困ったように微笑む。
「だが…無理だったな。君とカフェで過ごす時間が何より大切なものになっていて、それを失うことを考えられなかったんだ」