旦那さま、初夜はいつになりますでしょうか?〜溺愛旦那様の艶事情〜
「隼人さん……」
次々とよどみなく伝えられる言葉に、胸が幸福で突き上げられる。
「みなの両親は、そんな俺に君のことを任せてくれたが、俺はそれに甘えるようなことはしたくなかった。だから、ご両親にみなを任されたあの日から、すべてを終えて報告するこの日のまでが――俺の責任だと思っていた」
感激する一方、でも、そこまで耳にして、ふと疑問がわいてくる。
「だから、それで……その、あの――」
言いにくくてモゴついていると、隼人さんが察してクスクス笑う。
「抱かなかったのかって?」
「は、はい……」
隼人さんは恥ずかしそうにうつむく私に顔を寄せると、そのまま運転手さんに聞こえない密やかな声でこっそり教えてくれた。