No. 1イケボ歌い手の正体は高音美少女でした。
 既読がついたかと思うと、着信音が鳴った。

 「何?みくちー・・・」

 『七草!すごいね!あんな切なそうに歌えるんだ。私は、甘さと色気で歌ったのに。切ないって解釈もできるんだ!』

 スマホ越しに美紅の高い声が響く。

 「うるさい・・・」 

 そんなところも可愛いなぁ、と思いながらも、 いつもの俺のように返事する。

 どうせ、俺の歌に興奮したってとこか。

 『すっごい興奮したよ!七草のこともっと好きになった!!』

 「・・・ッ。知らないし。こっちからみれば、あの歌は切ない感じでって思っただけだし」

 『七草・・・?』

 いつもより早口な俺に戸惑ったのか、不思議そうな声が聞こえる。
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