No. 1イケボ歌い手の正体は高音美少女でした。
 ・・・なんか、距離近くないか?

 胸あたりにモヤがかかる。

 「あ!林檎じゃん!歌うの?」

 「そうだよ。七草と歌うんだ」

 「へ〜!めちゃピッタリじゃん!」

 やっぱサビがいいよね〜と上機嫌で話す美紅。

 突然、七草の携帯の着信音が鳴る。

 七草の顔に皺が寄っていく。

 「七草どうしたの?学校?」

 「・・・せーかい。最近は何もしてないはずなのになぁ・・・」

 最近は、つまり前は自覚があったんだな。

 七草は学校ではかなりの問題児らしい。

 「もー・・・。ちょっと出てくる」

 運悪く呼び出されたのか、部屋から出て行く。

 「いってらっしゃい〜!」

 美紅は眩しいくらいの笑顔を向ける。

 可愛いが・・・煽りだな。
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