ゾンビアイドルと溺愛同居
初恋は甘酸っぱいりんご飴みたい




☆狂夜side☆




「はぁぁぁぁぁ~~」



夜の9時過ぎ。


音楽番組の生放送を終え

テレビ局の楽屋のソファに

寝転んでいる俺。



「また、やっちゃったし……」



純恋の前で

また醜いゾンビになってしまった……


昼間の自分を、全力で呪っている最中。




ソファに仰向けに伸び

顔を両手で覆っていると


「狂夜、生放送
 お疲れさまでした」


秋の夜長を楽しむ

上品なお月様がささやいた?


そう突っ込みたくなるほど

まったりとしたホノボノ声が

俺の耳に届いた。



体を起こした俺。


ソファに座り

俺の前に立つロングヘアの男に

視線を突き刺す。



「ノエルは
 まだ帰ってなかったんだ」


「忘れ物を取りに来たのですよ」



メンバーがみんな帰った今。


メンタルが沈む俺だけで

楽屋を独占できると思ったのになぁ。

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