ゾンビアイドルと溺愛同居


「純恋、聞いてくれる?
 昨日俺ね、父さんと会って話したんだ」


俺が荒れ狂うことを予測して

ゾンビになっても誰にも迷惑が掛からない

国の特別施設での再会だったんだけど……


「純恋は大丈夫だったって
 心配してるでしょ?」



アハハ。

もちろん大丈夫じゃなかったよ。


「俺ね、父さんを瞳に映した瞬間に
 ブチギレちゃった」


 
『なんで俺を捨てたの?』


『母さんが死んだときのことも
 俺がゾンビになった理由も全部話して
 絶対に俺がゾンビから人間に戻してやるって
 なんで言ってくれなかったの?』


『ゾンビになったことよりも
 父さんに捨てられたことの方が
 辛くて耐えられなかったんだから!』


15年も抱き続けた父さんへの恨みを

俺は怒り狂って、噴火かせちゃった。


捨てられた5歳児に戻ったようにね。

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