ゾンビアイドルと溺愛同居


「お願いって言うのはさ。

 ある野球場を

 今から貸し切ってもらいたいんだ」



野球場?



「場所はネットで送ったけど
 おっちゃんのとこに届いてる?

 そうそう、そこ。

 野球場で何するかって?
 
 それね~、聞いてよ。

 うちのメンバーが
 一途に想い続けてきた女に
 フラれたみたいでさ。

 仕事がない時は、ずっとリビングで
 メソメソ泣いてるわけ」


ひぃあ!

俺のことだし!

メソメソなんて、泣いてないし!


心の中では号泣してるけど。



「その女にプロポーズするために
 曲作って。

 衣装も自分で
 プロデュースしたんだぜ。

 それなのに失恋って。

 曲も衣装もかわいそうじゃね?

 だからさ
 思い出の野球場を貸し切って

 今から
 プロポーズさせてやろうと思って」



えっ? 

ええぇぇぇぇぇっ?



待って、待って。


俺が純恋に

プロポーズするってこと?


しかも……今から?


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