運命に出会いました!〜年下令嬢は魔術師様を熱愛中〜



じろじろと無遠慮に顔を見られて手を伸ばされたので空いている手で払い除ける。今この人、わたしの顔に触れようとしたわ。ほぼ初対面の女性の顔に触ろうとするとか変態か。



「ふーん、あの悪魔に入れ上げていると聞いていたからそこまで期待はしていなかったがそこそこな見目じゃないか。お前のような出来損ないを貰ってやるんだから有難く思え」


「いくら高貴な血筋とはいえあんな気味の悪い男に媚を売るより我々の役に立てる方がお前も光栄だろう」


「欠陥品とはいえ血を残すという使い道には問題ないからな」


「……………」



払い除けられたことに一瞬不愉快そうにしたかと思えばにやり、とそんなことを宣う男にすとんとわたしの表情が抜け落ちたのを感じた。


何故わたしがお前に貰われてやらなければならないのかとかお前に見目を褒められても嬉しくないとか出来損ないで結構だとか言いたいことは星の数ほどあるけれど今は置いておく。


それよりも聞き捨てならない言葉が聞こえたのだが。悪魔?気味が悪い?………は?脳みそ腐っているんですか?それともあれですか、目ん玉にガラスでも使ってるんですかぁ??


ブチっと自分の中の何かが盛大に音を立てて千切れた。よりにもよって何よりも尊いわたしの大切な人の暴言を吐いたのだからこれはもう報復対象として認識していいのではないか。いやするべきだ。ヤられても文句は言えないわよねぇ???




< 19 / 38 >

この作品をシェア

pagetop