運命に出会いました!〜年下令嬢は魔術師様を熱愛中〜
あわあわととりあえず乙女としてはこんな化粧もしていない、しかも泣いた後がばっちり残っているであろう顔面崩壊した姿を見せることなどできないので顔を手で覆う。顔を洗いに行けって?だってこの今の幸せな体勢を崩すの嫌なんだもんっ!!!
くすくす、と天使のように柔らかな笑う吐息が耳朶をくすぐる。うわあぁぁぁっ!し、幸せすぎる…………!!!
現状に混乱していると思われたのか何故グラナティス様がここに居るのか簡単に説明してくれたところによると、どうやらお兄様に呼び出されたらしい。とにかく妹と話せと言われてわたしの部屋に放られたとか。……後で覚えていやがって下さいお兄様。
とにかくわたしは寝ているし話をしたかったのもあったので部屋で待たせてもらったところ、一度起きたもののすぐにまた泣きながら眠ってしまったと。すみませんごめんなさい申し訳ありません完全に夢だと思っていました。ああぁぁあぁもう穴に埋まってしまいたい!!!
そしてグラナティス様の手に縋りついて離さなかったので体勢がきついだろうと寝ているわたしを抱っこしてくれて今に至ると。別に無理矢理外してよかったのに!!でもそんな優しいところが好き!!!
見られないように顔は心持ち伏せたままもじもじと指をいじってそおっとグラナティス様の方に寄りかかってみる。うへへ、幸せ……!じゃなかった、ちゃんと聞かないといけないことがあるんだよ。この幸せは手放し難いけれど、確かめないと。
「え、と。あの、あのですね………………あの日のこと、軽蔑、して、いませんか……?」