運命に出会いました!〜年下令嬢は魔術師様を熱愛中〜
「そんな時に今回のことがあってね。私のことでとても怒ってくれた貴女を見て、どれだけ想われていたのか実感して………うん。やっぱりグレイスがいいなって」
「ふぇぁ……」
ほわり、とあの無防備な笑みがわたしに向けられる。しかもこれでもかと甘い表情で、蕩けるような視線で。
………………………………あ、これ死ぬ。幸せすぎて死ぬわ。
妄想、もとい想像はしていたつもりだけどそれを上回る破壊力に反応すらできずに「あぅ」やら「ふやぁ」やら意味もない音しか口から出てこない。
そんなわたしを見て「もう、遅いのかな………?」と寂しげな表情を浮かべるかの人にぶんぶんと音を立てて首を横に振る。絶対そんなことないしなんだったら待てと言われれば10年だって待てますとも!!!
再び嬉しそうに微笑む姿に見えない矢が百本ぐらいわたしの胸を突き刺したよ。心臓よ、動いているかい……?頼むから幸せすぎて止まらないでくれよ。