運命に出会いました!〜年下令嬢は魔術師様を熱愛中〜
「…………え、こんなん続くの?俺耐えられないんだけど」
「………………………………お兄様は本当に余計なことしかしませんわね」
「理不尽すぎだろ」
そもそも最初からいたじゃん、と行儀悪く肘をついてお茶を飲むお兄様を半目で睨みつける。だとしてもここは恋人達の交流に気を利かせて自分から席を立つのが当たり前だと思うのですけど。それか一言も喋らずに置物に徹していればいいものを。
そもそも我が家の庭で婚約者同士のお茶会と式についての話し合いをすると言っても当事者同士で事足りるというのに両親がお兄様を放り込んできたのが悪い。本人たちはすぐに逃げるし。
しかもその理由が「グレイスとグラナティス様を二人きりにしたらグラナティス様の貞操が危ない」ってどういうこと?なぜわたしが危険人物に認定されているのか。もっと娘を信用しても良いのではないかしら。
「お前ね、前科があるでしょ前科が」
「失礼なこと言わないでくださる?」
「自覚ないとか怖っ」
「………………」
グラナティス様の手前、暴力はいけない。愛する人の前でこんなデリカシー皆無なちゃらんぽらん野郎でもぶちのめしたらきっと悲しい思いをさせてしまうもの………………後で覚えていやがって下さいお兄様。