(旧)この青く澄んだ世界は希望の酸素で満ちている
* * *
「彩珠、
そろそろ出るか」
時刻は十八時を回り。
空澄がそう言った。
私も「うん」と返事をした。
今日もいつものように『心が呼吸できる世界』に行く。
それにしても。
今日はこの家を出るのが少し早いなと思った。
いつもは十八時三十分くらいに出る。
もしかしたら。
今日はのんびりと歩きたいのかな。
そう思いながらこの家を出た。
「彩珠、
『心が呼吸できる世界』に行く前に彩珠と一緒に行きたいところがある。
方向はあまり変わらないけど、少しだけ遠いな」
外に出た瞬間。
空澄がそう言った。
「わかった。
……私と一緒に行きたいところって……?」
それはどこだろう。
すごく興味がある。
「行けばわかるよ」
笑顔でそう言った、空澄。
行けばわかる、か。
本当は今すぐにでも知りたい。
だけど着くまで楽しみにしているのもあり、かな。