(旧)この青く澄んだ世界は希望の酸素で満ちている

朝焼けに想いを乗せて




 時刻は三時三十分。

 私、空澄(あすみ)、凪紗、心詞(みこと)、響基の五人は。
 いつもよりも早く『心が呼吸できる世界』を出た。


 いつもよりも早く外に出ている。
 だから空は真っ暗で外は暗い。

 その中で頼りになるのは。
 一定の間隔で並んでいる街灯の灯り。

 ただ、その灯りも。
 歩いて行くにつれて間隔が広がってきている。
 なので外に出たばかりのときの明るさよりも暗くなってきている。


 だけど。
 もうすぐ。
 街灯の灯りに頼らなくても、自然の光がやさしく包み込んでくれる。

 あと少しで。
 夜が明ける——。


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