君と見た夢のような世界、それは切ないくらいに澄んで美しく



「それから、その二つのアイテムは
『心が呼吸できる世界』に現在入っている人たちにしか見えないの」


 惺月(しずく)さんはそう言ってカウンターのテーブルに置いてある蝶々とビー玉を手に取り「空澄(あすみ)くん、これ」と言って俺に渡してくれた。


「ありがとうございます、惺月さん」


 惺月さんにお礼を言うと、惺月さんは「いいのよ」と笑顔でそう言ってくれた。


「それでは惺月さん、行ってきます」


「いってらっしゃい、
 気を付けてね」


 惺月さんは笑顔で俺と凪紗と心詞(みこと)と響基にそう言ってくれた。



 惺月さんは細かいことは訊いてこない。

 この場合は俺たちのことを信じてくれているということになる。


 そのことが、ものすごく嬉しいし感謝している。


 そう思いながら俺たち四人は彩珠(あじゅ)の家へ向かった。


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