君と見た夢のような世界、それは切ないくらいに澄んで美しく



「……っ⁉」


 その瞬間。


「みんな……っ」


 凪紗、心詞(みこと)、響基。
 そして空澄(あすみ)

 みんなの姿が私の視界に入った。


 そのとき、すぐに感じた。

 みんなが私のことを迎えに来てくれた。

 みんなの思い。
 それを感じることができて、すごく嬉しい。
 そして、とても感謝している。



 あっ。
 だけど……。


 せっかく迎えに来てくれた。
 それなのに、こんなことを思うのは申し訳ないけれど。

 みんなは、どういう方法でこの家(ここ)から私のことを連れ出そうと考えてくれているのだろう。

 私の部屋は二階。
 みんなのところに行くためには何かの方法で下りなければいけない。

 私の部屋のドアの前には親父の部下の武藤さんと北山さんがいる。

 たぶん夜中も交替で誰かが私の部屋のドアの前にいると思う。

 だから私は自分の部屋から必要以外は出ることができない。

 だから、やっぱり無理なのかもしれない。
 私のことを連れ出してくれるのは。

 せっかく来てくれた。
 それなのに本当に申し訳ない。


「……?」


 そう思っているとき。
 空澄が手に何かを持ち、その手を上げた。


「……っ⁉」


 そのとき。
 空澄が持っている何かがぱぁっと光り、眩しくて目を閉じてしまった。

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