君と見た夢のような世界、それは切ないくらいに澄んで美しく



「……これ……は……?」


 数秒後。
 そっと目を開けてみると。

 窓から下にいる空澄(あすみ)たちに繋がる階段がある。


 その階段も蝶々と同じように七色に輝いている。



 すぐにわかった。

 その階段を見てどうすればいいのか。


 躊躇う。
 そんなことは全くなかった。

 これを使えば空澄たちがいるところに行くことができるのだから。



 まずは。
 窓から身体を乗り出す。

 そして。
 七色に輝いている階段にそっと足を乗せる。

 そうして一段、また一段と階段を下りていく。

 それは、まるで虹の階段を下りているかのよう。

 階段を下りるたびに空澄たちの姿が大きくなっていく。

 あと少し。
 あと少しで空澄たちのところにたどり着く。

 そして——。


「みんな、迎えに来てくれてありがとう」


 階段をすべて下り、空澄たちのところにたどり着くことができた。


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