君と見た夢のような世界、それは切ないくらいに澄んで美しく



「……憎んで……いたと思ったから……」


 ……?


 何を言おうとしているのだろう。
 そう思っていると。
 お兄ちゃんの口から意外な言葉が出てきた。


 憎んで、って……。
 誰のことを……?


「……俺と彩葉(あやは)のこと……」


 え……っ?

 お兄ちゃんの口から意外な名前が出てきた。

 だから。


「……憎んで……いた……?
 お兄ちゃんとお姉ちゃんのことを……?」


 かなり驚いた。


「……なんで、そう思ったの……?」


 まだ驚きが残っている。

 それでも訊かずにはいられない。

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