君と見た夢のような世界、それは切ないくらいに澄んで美しく



「それから、
 お姉ちゃんやお兄ちゃんとも話をした。
 話をしているうちに、
 お姉ちゃんとお兄ちゃんも苦しんでいたことがわかった。
 やっぱり話し合うことは大切なんだと改めて思った。
 あと今度の土曜日に、お姉ちゃんとお兄ちゃんが
 私と一緒に勉強をする時間をつくってくれることになった」


 お姉ちゃんやお兄ちゃんと話をしたあのときに話し合って、勉強会は土曜日にすることに決まった。



 私がそう言ったとき。
 心詞(みこと)と響基が「よかった」と言って喜んでくれた。

 凪紗も「よかったな」と言って、さっきよりも私の頭をわしゃわしゃとしながら喜んでくれた。

 空澄(あすみ)はやさしい笑顔で見つめてくれている。
 言葉は発していないけれど、『よかったな』という思いが伝わってきた。


 みんなが私のことで喜んでくれている。
 そのことが、ものすごく嬉しいと感じた。

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