(旧)この青く澄んだ世界は希望の酸素で満ちている



「……っ‼」


 そう思い悩んでいると。
 空澄(あすみ)の左手が私の右手に触れ。
 そのあと、やさしく繋いだ。

 空澄の方を見ると。
 空澄はやさしく微笑んでいた。


「みんなで一緒に帰ろう、現実の世界に」


 空澄のやさしい声。
 その声を聞いたら、驚くくらいに気持ちが落ち着いてきた。


「空澄の言う通りだ。
 帰ろう、みんなで」


 空澄に続いて凪紗がそう言い、凪紗の右手が私の左手に触れ、やさしく繋いだ。


「うん、
 みんなで帰ろう」


 凪紗に続いて心詞(みこと)がそう言い、凪紗の左手を繋いだ。


「みんなで帰ろう」


 心詞に続いて響基がそう言い、空澄の右手を繋いだ。



 私たち五人は手を繋ぎ一列に並んでいる。


 伝わってくる。
 みんなの優しさや思いやりが。

 それを感じたら。
 踏み出せそう。
 一歩前に。

 だから。


「帰ろう、みんなで現実の世界に」


 その一歩を。
 思いきり踏み出す———っ‼


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