君と見た夢のような世界、それは切ないくらいに澄んで美しく
心が呼吸できる場所
近況報告
七月の第一土曜日。
今日は空澄、凪紗、心詞、響基と会っている。
凪紗、心詞、響基は『心が呼吸できる世界』を卒業してから初めて会う。
空澄は……恋人同士……というのもあるけれど。
同じ学校ということもあり、一緒に登下校したり、放課後にカフェやファーストフード店に寄ったりしている。
最近だと図書館で一緒にテスト勉強もした。
「ほんと久しぶりだな。
元気だったか」
今は午前十時を回ったところ。
私たち五人はセルフのカフェに入って飲み物を購入し席についたところ。
そのとき凪紗が私たちのことを順番に見ながらそう言った。
「久しぶりって、
まだそこまで日にちは経ってないだろ」
凪紗の言葉に空澄はそう返答した。
「いいだろ、久しぶりの感覚は人それぞれなんだからさ。
それだけお前らに会えたことが嬉しいってことだよ」
空澄の言葉に凪紗がそう言うと。
「確かにこのメンバーと会えるのは嬉しいな」
空澄も納得していた。
私、心詞、響基も「そうだね、嬉しいね」と言いながら頷いた。
そのあと私たち五人は一人ずつ順番に話を始めた。
久しぶりに学校に行った日のこと。
それから『その後』のこと。
話す順番は、くじ引きで決めた。
それにより凪紗、心詞、響基、空澄、私の順になった。