君と見た夢のような世界、それは切ないくらいに澄んで美しく
一方、家族の関係は———。
まずは父親との関係。
父さんとは今日の朝も言い合いになった。
だけど、それは父さんから一方的に侮辱をされているとかではない。
お互いの考えていることを伝え合い、それに対してどう思うかを伝え合った。
相変わらず父さんとはなかなか意見が合わない。
だけど、こうしてお互いの考えていること思っていることを伝え合う。
それは、とても大切なことだと思う。
自分の意見を伝えると気持ちが前を向く。
たとえ意見がかみ合わなくても、自分を出すことが大切なのだと思う。
自分を偽ることなく素直に正直に。
そして相手も自分を偽ることなく真っ直ぐな気持ちを表す。
それは機械的ではなく人間らしくて温かみがあると思う。
こういう時代だからこそ、こういうことは必要なのだと思う。
それから。
父さんは私が生まれる前の父さんの話をしてくれるようになった。
とはいっても。
その頃の自分を誇らしげに話しているだけだけど。
でも、まぁ、一方的に私のことを侮辱していたときよりも穏やかになっている気がした。