君と見た夢のような世界、それは切ないくらいに澄んで美しく
それから私たち五人はいろいろな話を始めた。
みんなの話を聞いていると。
最初に感じたイメージ。
それとは違った内面が見えてくる。
神倉さんは。
外見はヤンキーっぽい感じだけど。
かわいいぬいぐるみが大好き。
料理作り、お菓子作りが大好き。
刺繡、編み物が得意。
そんな神倉さんに「意外だな」と那覇。
そのことに神倉さんは「そんなことないだろ」と言い。
鈴森くんに「意外じゃないよな」と言うと。
鈴森くんは怯えながら「うん」と頷いた。
「そんなふうに脅したら鈴森は『うん』と返事をするしかないだろ。
現に鈴森、怯えてる」と那覇。
「脅してなんかねぇよ。なぁ、鈴森」
神倉さんは那覇にそう言い。
続けて鈴森くんにそうそう言った。
神倉さんにそう言われた鈴森くんは怯えながら頷いた。
「それが脅してるんだよ」
那覇のツッコミに。
「はぁっ、なんだよそれ」
神倉さんは那覇にそう言い返した。
……確かに。
神倉さんには悪いけれど。
私も那覇と同じで『意外だな』と思った。
神倉さんが料理やお菓子を作る。
そんな姿をなかなか想像することができない。
刺繡や編み物もそうなのだけど。
特に驚いたのが、かわいいぬいぐるみが大好きだということ。
神倉さんには申し訳ないと思うのだけど。
神倉さんのイメージと、かわいいぬいぐるみ。
それらの組み合わせが、あまりにもミスマッチ過ぎて。