(旧)この青く澄んだ世界は希望の酸素で満ちている
「それからさ、
かわいいぬいぐるみが大好きとか言ってるけど、
神倉とかわいいぬいぐるみの組み合わせって、
ものすごくミスマッチだよな」
そう思っていると。
那覇が私も思っていることと同じことを神倉さんに言った。
那覇はサラッと言うから全く嫌味には感じないのだけど。
「何言ってるんだよ。
かわいいぬいぐるみとの組み合わせが
こんなにも似合う女子はなかなかいないだろ」
「ふ~ん、なるほど。
神倉はぬいぐるみと一緒に寝てるんだな」
神倉さんの言葉のどこに『ぬいぐるみと一緒に寝ている』と思わせる言葉があったのだろう。
那覇にそう言われた神倉さんは驚いた表情をしている。
無理もない。
神倉さんはぬいぐるみと一緒に寝ているなんて一言も言っていない。
それなのに那覇ははっきりとそう言った。
那覇にそう言い切られ。
「なっ……なんで、そんなこと知ってるんだよっ」
神倉さんは動揺しながら少しだけ恥ずかしそうに小声でそう言った。
「やっぱり、そうだったんだな」
そうしたら。
那覇がそう言ったものだから。
「なっ……なんだよっ、ハメやがったな‼」
神倉さんはムキになってそう言った。
「ハメてなんかねぇよ。
ぬいぐるみと一緒に寝てるなんて、
神倉、お前、可愛いところあるな」
那覇が淡々とそう言うと。
「かっ……からかってんじゃねぇよっ」
那覇にそう言われた神倉さんは顔を少しだけ赤くしていた。
そんな神倉さんは外見と内面のギャップがあって可愛らしいなと思った。