君と見た夢のような世界、それは切ないくらいに澄んで美しく



 * * *


 ……あ……。

 受信……。


 昼になり。
 立て続けに鳴る受信音にハッとした。


 バッグからスマホを取り出しメッセージを確認する。

 …………。

 メッセージを送ってきた相手は。
 今、クラスで私が一緒に行動をしている四人の女子生徒たち。

 ……一応、私の友達(?)。


 昼の休憩になり、四人はメッセージを送ってくれたのだろう。

 メンバーは。
 真碧(まみ)さん。
 加織(かおり)さん。
 桃萌(ともえ)さん。
 純菜(じゅんな)さん。

 四人ともほぼ同じ内容のメッセージ。
彩珠(あじゅ)さん、大丈夫?
 熱があるの?
 無理しないでね。
 お大事に】
 というような感じ。


 四人からメッセージが送られてきて。
 正直なところ……複雑な気持ちになった。

 本当は仲良くないのに。
 無理してメッセージなんか送ってきて。

 そう思うと。
 胸の中がざわざわした。


 今は。
 あの四人とも関わりたくない。
 それが正直な気持ちだった。


< 5 / 198 >

この作品をシェア

pagetop