君と見た夢のような世界、それは切ないくらいに澄んで美しく
「なぁ、このゲーム面白そうだな。
みんなでやらないか」
空澄、凪紗、心詞、響基に感謝をしていると。
凪紗がタッチパネルに表示されている画像を見ながら興味津々にそう言った。
話によると。
おもちゃやゲーム機、小説やマンガや雑誌などをレンタルできるらしい。
レンタルするものはタッチパネルに表示されている画像を見て探し。
決まったら料理のときのようにタッチパネルの画像をタップすると、すぐにレンタルしたいものがパネルから出てくる、とのこと。
「ほんと面白そう。
みんなでやりたいね」
凪紗の言葉に心詞が笑顔でそう言った。
「うん、
みんなでやろう」
心詞に続き響基もそう言った。
「まぁ、勝つのは俺だけどな」
空澄は。
かなり自信があるようで。
空澄の言葉を聞いた凪紗は「なんでそんなことわかるんだよ」と怪訝そうな表情をしている。
空澄は「『わかる』んじゃなくて本当のことだ」と言い、ケロッとした表情をしている。
空澄の言葉に凪紗は「お前には絶対負けないからなっ‼」とムキになっている。
そんな凪紗に空澄は「ハンデやろうか」と余裕な感じ。
すると凪紗は「いらねぇ‼」と大声を出した。
凪紗の返答に空澄は「無理しちゃって」とイジワルな表情をしている。
空澄の言葉に凪紗は頭をぐしゃぐしゃと掻きながら「なんなんだ、お前はっ」と言った。
そんな凪紗を見て空澄は余裕な笑みを浮かべている。
そんな空澄のことを見ていて思ったことがある。
今まで私が感じていた空澄のイメージは。
とにかくクール。
だけど、こうして接してみると。
面白いというかお茶目な面もあるのだと感じた。
空澄とは同じクラスになったことはある。
だけど学校以外で接したことはなかった。
だから見たままの感じでイメージしていた。
空澄のことを見ていると、人はよく接してみないとわからない部分もたくさんあるのだなと思った。
そう思いながら私も「ほんとに面白そうなゲームだね。みんなで一緒にやりたい」と言った。
こうして、みんなでゲームをすることが決まった。
そして現実の世界の時間でいう夜明け一時間前まで私たちはゲームを楽しんだ。
ちなみに凪紗は空澄に一勝もすることができなかった。
そのときの凪紗のリアクションは……予想通り、かな。