君と見た夢のような世界、それは切ないくらいに澄んで美しく



「さて、
 どうしよう、今から」


 すごく、ものすごく悩んだ。

 その結果。
 とりあえず今日は家に帰ることをやめることにした。


 お母さんには心配かけたくないからメッセージを送った。
【今日は友達の家に泊まるから】と。


 だけど。
 本当はそうではない。

 家に泊まる。
 それができる友達。
 そんな人、私にはいない。

 そこまではいかないとしても。
 心から笑い合える友達もいない。


 お母さんに噓のメッセージを送ったのは。
 公園で野宿をするかもしれないなんて伝えたら、お母さんは絶対に心配すると思うから。

 大好きなお母さんのことを心配させたくない。


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