(旧)この青く澄んだ世界は希望の酸素で満ちている
それから、お母さんは私に謝っているけれど。
お母さんは全く悪くない。
あの親父が勝手にキレて勝手に怒鳴り散らしていただけ。
あんなふうになった親父のことは誰にも止めることはできない。
だから。
【心配してくれてありがとう。
それから、お母さんが謝る必要なんて全くないよ】
と返信した。
すると、すぐにお母さんから返信があり。
【今どこにいるの?
お父さんのことは気にしないで帰って来なさい】という内容だった。
お母さんの言葉は嬉しい。
だけど。
あの親父がいるところに帰りたいとは思わない。
だから。
【しばらく友達の家に泊めてもらうから。
友達にはすでにOKをもらっているよ】
と返信した。
本当はそんな友達など誰一人もいない。
だけど、お母さんのことを心配させたくない。
だから真実ではないメッセージを送った。
すると、またすぐにお母さんからメッセージが送られてきて。
【わかったわ。
確かにお父さんのほとぼりが冷めるまでは
そうさせてもらった方がいいかもしれないわね】
【後日、そのお友達には改めてお礼をしに行かなくてはね】
【そうだわ。
そうなると着替えが必要よね。
数日分の着替えを用意して持って行くから、
どこかで待ち合わせをしましょう。
もちろん、そのことはお父さんには言わないわ】
という内容が送られてきたけれど。
友達の家に泊まるというのは。
本当は違う。
だから後日改めてお礼をという言葉を送られてきても。
正直なところ、ものすごく困る。
着替えに関しても。
着替える場所がない。
だから持って来てくれても、正直なところ荷物になるだけ。
……『心が呼吸できる世界』に着替える場所があるなら別だけど。