君と見た夢のような世界、それは切ないくらいに澄んで美しく
「そうだ、
彩珠の部屋は
一室、空きがあるから、そこに」
空澄が言うには。
その空き部屋は、もともと来客用として使用しているとのこと。
冷暖房、寝具も完備されているらしい。
空澄が一通り話し終えてから「ありがとう」とお礼を言った。
「じゃあ、そろそろ寝るか」
空澄はそう言ってテーブルに置かれている空の容器を片付け始める。
私も「うん」と頷き、空澄と一緒にテーブルを片付けた。
「彩珠が使う部屋も俺の部屋も二階だから」
片付けが済んだ頃。
空澄はそう言った。
「あっ、それから
トイレは一階にも二階にもあるから」
そう教えてくれた空澄に「ありがとう」と言った。
「じゃあ、案内する」
そう言った空澄、そして私はリビングを出て二階へ。
階段を上り廊下を歩き一番奥の部屋に着く。
「ここが彩珠の部屋」
空澄はそう言ってドアを開けてくれる。
「自由に使って」
そう言った空澄が私を部屋の中に入れてくれた。
スッキリと片付いている室内。
インテリアはシンプル。
ローテーブルやベッドなどの家具は木製。
カーテンやシーツやラグマットなどの布製品は全体的に緑色で統一されている。
その雰囲気は、まるで森の中にいるような癒された空間。
こんなにも素敵な部屋で過ごすことができる。
それは、なんという至福の時。
「あっ、そうだ、彩珠」
貸してくれる部屋に感激していたとき。
何かを思い出したように空澄は私のことを呼んだ。
「ちょっと廊下に出て」と空澄に言われて廊下に出る。
「俺の部屋はここだから。
何かあったら、いつでも声をかけてくれ」
私に貸してくれる部屋。
そこから隣の隣の部屋。
空澄はその部屋のドアの前に立ち、そう言ってくれた。
部屋を貸してくれる。
それだけでなく、気遣いの言葉をかけてくれる。
それは。
とても嬉しく、ありがたいこと。
そんな空澄に。
「本当にありがとう、空澄。
すごく感謝している」
本当に本当に感謝の気持ちでいっぱい。