君と見た夢のような世界、それは切ないくらいに澄んで美しく
「本当に優しいね、空澄は。
私があんな家に居たらかわいそうだと思って
そう言ってくれてるんでしょ。
ありがとう。
空澄の気持ち、すごく嬉しいし感謝している」
だから、せめて感謝の気持ちだけでも伝えようと思った。
「かわいそう?
そうじゃない」
そのはずが。
「俺が彩珠と一緒にいたいだけ」
空澄が……そんな言葉を言ったから……。
『一緒にいたい』
その言葉をどういうふうに受け取ればいいのか。
そのことを考えている。
だから頭の中が大忙しになっている。
「だから遠慮するなよな」
……だけど。
『一緒にいたい』
その言葉に深い意味。
そういうのはないのかもしれない。
純粋に空澄の気遣いや親切な気持ち。
それが、たまたまあの言葉になっただけ。
なのかもしれない。
それよりも。
空澄の笑顔が。
とてもキラキラ輝いていて。
眩しいくらい。
だけど。
それと同じだけ。
穏やか、そして優しさに溢れている。
だから、なのかな……?
「……ありがとう。
お言葉に甘えて……」
空澄のその笑顔に引き寄せられるように。
「しばらくの間、
お世話になります」
気付いたら。
そう言っていた。
「素直でよろしい」
そう言ったときの空澄は。
もっともっと笑顔で。
それは今にも溢れそうになっていた。