虹色の恋
第1章
「俺と付き合って?」


それは突然の出来事だった。

「…え?」

私は何が何だか全くわからなかった。

「だから…付き合って?」

最初は冗談かと思った。
でも電話の向こうで喋る隼人の声は本気だった。



「ごめん…私お風呂入るからもう切るね」

電話を切ってしまった。
本当はお風呂なんて嘘だった。

頭の中で隼人の言葉が繰り返される。


そうこうしている間に携帯が鳴った。

それは隼人からのメールだった。

>いきなりごめんな??
さっきの話なかった事にしてもいいから。



内容は複雑だった。
私はなんて返していいかわからなかった。


その夜は寝れるはずがなく隼人の事が頭から離れなかった。



隼人の事は好き。
でも恋愛とかそういう好きじゃなかった。

それに…隼人は梓の事がずっと好きだと思っていたから。



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