目隠し、はずして
Yさんは大和くんの気迫に押されたのか姿を消した。

「……ありがとう」

大和くんの背中に向かってお礼を伝えたら、大和くんは振り返って大きな手のひらをわたしの頭の上にぽんと置いた。

「連絡先交換しよ」

「うん」

平常心を装う。
指、震えてるのバレてないかな。

「呼び出したら来いよ。今日のところは帰っていいから」

「わかった」

胸がドキドキしてる。
ペットなんてよくわからない契約を結んじゃったのに、わたし大和くんのこと……
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