目隠し、はずして
「何それっ!」

思わず見上げると、大和くんが不敵な笑みを浮かべている。

間接照明が柔い灯りで大和くんの上裸を照らす。
不意に逞しい筋肉が目に飛び込んできてドキリとしてしまった。

「おい、勝手に見惚れんなよ」

こつんと軽くゲンコツを頭にくらう。

「服着てないのが悪い……」

不服なので正直に言ったら、片手で頬っぺたを鷲掴みにされた。

「なに、俺が悪いの?」

あ? と言いながら頬っぺたをぐにぐにと揉まれる。

「それとも、千春が悪いの?」

なぜかこれが許してもらえる最後のチャンスだと思い込んだわたしは、必死でコクコクと頷いていた。

「そうだよな、千春が悪いよな。
じゃあ罰として今晩はずっとここで正座してろ」

「ええ!?」

とても正気とは思えない内容に耳を疑う。

「うん、だから、ここで正座してろって、一晩中。同じことを二度言わせるなよ」

笑顔はそのままに、一言一句ゆっくり話すと、大和くんは「じゃあ俺は風呂入ってくるから。お前は正座して待ってろよ」とその場を去ってしまった。
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